コラム・一日の食事

「一日の食事」というタイトルで始まる当コラムであるがまず、食事と切っても切れないこの国の成り立ちから説明する必要がある。
東は山、南北は開けており、西は海と、一見自然豊かな風にも取れるフィールド・エレメンツ・グローリー(以下FEG)の風土だが、実際はその半分が砂漠に、 残る地域も全体に乾燥した気候に覆われている。かつては不毛の大地であったこの地を独自の技術と知恵を持って現在のような自然と近代文明が共存する国になった、というところまでは近代史の教科書や旅行社が発刊しているガイドブックなどでも知ることができる。
そのような「新しい国」であるFEGの名産品はなにかと言うと、実は特にこれといったものは存在しない。
昨今取引が始まった、同盟国であるながみ藩国のNACのFEGの特産品欄を見てみても「牛乳、魚類(養殖物もあり)、りんご、山の幸、熊、野菜類(プラント生産)、米、芋、岩塩、食用サボテン、らっきょう」と、内容に統一性がない。他国のように名菓・名物の類も特に話題にあがったことはない。(ちなみに熊はシーズン1の生産イベントの名残であるらしい)


さて、そんなFEGの食事事情だが、決して暗いというわけではない。 上に掲載された画像は、 とある一日の王城に勤める職員の食事である。簡単にメニューを紹介すると
朝食(右上)/卵入りクロワッサンのサンドイッチとバナナヨーグルトドリンク
昼食(右下)/牛とトマトとネギのソテー+鰯のオイルサーディンのクリームパスタ
おやつ(左)/イチゴとマンゴーのチョコレートがけシュークリームと紅茶
農場で取れるバターと牛乳に果樹園で取れたバナナ、 近海で揚がるイワシにプラントで作られたトマト、小麦畑で取れた小麦粉を風力発電所の風車で轢きパスタにする。国内の生産物を羅列しただけのように見えるが、栄養価にも優れたメニューである。
「王城の職員なら食事は高級店で頼んでいるのだろう、豪華なのは当たり前」と思う方もいると思うが、これらはすべて職員の手作りである。これこそがFEGの唯一の食事事情の"特徴"である。



FEG国主の是空王の趣味の一つは料理全般であり、さらに摂政である真琴氏もかなりの料理好きである。また国に所属するACEの一部にも料理好きがいたり、普段自炊をしないはずのACEがこの国に所属するようになってから突然飲食店を開く者まで居る、さらに面白いのはこれらすべてが男性であるということである。 (もちろん、女性も普通に食事を作る習慣もある。)
それはさておき、国主が自炊し、さらにその腕を競うほどであり、それが日常的であることは、国内に「男の料理」が浸透する土壌がある、と言えるのではないだろうか。老若男女誰もが料理を作り、食べ、楽しむ。このことこそが新興国であり未だ農業的に特別な技術を持たないFEGの食卓を豊かなものにしている特徴であると筆者は考える。
ちなみにこの日の夕食は是空王お手製の豚肉のにんにくローストオリーブオイルがけと真琴摂政の新作カキとホワイトアスパラガスのスープ。お供は卵とベーコンのピザである。さて、料理自慢の二人のスペシャルメニューのどちらに軍配が上がるだろうか。


イラスト/文03-00268-01:松井:FEG
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