1.システム名
海軍兵站システム
2.提案趣旨
FEG国内にも生産地を持ち、国庫に大量に備蓄してあった重要物資である燃料であるが、昨今の戦闘による大量消費と市場閉鎖による調達機会の限定という状況を鑑み、FEG軍、特に物資輸送の要でもあり輸送艦、戦闘艦を運用する関係上、燃料消費の多い海軍に着目し、現状の補給線や燃料流通を再編・最適化をかけることにより無駄を省き、効率的な燃料運用が可能なシステムを構築し、FEG国庫、ひいてはFEG国民に過度の負担を強いることが無いようにすることが要旨である。
3.見込まれる効果
今回のシステム構築により、非効率に拡大した補給線の見直しと燃料流通の効率化により、海軍のみならず軍全体で消費される燃料25%以上の削減を目指す。システムの中には、計画→実施→評価→改善のPDCAサイクルを繰り返すことが組み込まれており、継続的な燃料運用の効率化が見込まれる。
また、海軍での順調なシステム稼動が確認されれば、陸軍、空軍、宇宙軍などのFEG各軍に対しても海軍で構築されたシステムをベースと各軍用にカスタマイズを施したシステムを適用することにより、より一層の燃料消費の削減を目指すものである。
なお、最終的に民間に対し技術還元を行うことにより、FEG全体での効率的な燃料運用が確立可能である。
4.システム適用範囲
●FEG港
●FEG軍補給所
●FEG補給艦
●各地の燃料消費地
〈イラスト/竜乃麻衣〉
5.システム実施手順
以上を1サイクルとしサイクルを繰り返すことにより継続的に運用を行う。
6.第1サイクルにおける改善計画のための問題点の抽出及び改善提案
6−1現状における問題点の抽出
■FEG港
FEG西側の海岸線をほぼ多い尽くす形で建設されているため、海からの物資搬入に適している。
反面、内陸部にある燃料消費地へ燃料を輸送するために車両等の輸送手段が必要。
■FEG軍補給所に関して
兵站の拠点である補給所自体が港から少し離れた場所にあり、補給所に併設されている燃料備蓄庫に港から燃料を運搬するのにも車両等の輸送手段を必要とし、現在はトレーラーなどを使い運搬するために余計な燃料を消費する事となっている。 また、燃料備蓄庫から各地の燃料消費地までの燃料運搬にも車両を必要とする。
■FEG補給艦に関して
補給艦に積載された物資を旧式のデリックを使いトレーラーなどの車両に積載を行うため、補給艦が港に停泊している時間が長大になっており補給艦の運用効率が落ちている。
■各地の燃料消費地
飛行場やI=D工場、整備工場など燃料消費地がFEG全土に広がっているため、運搬車両による各地への燃料運搬にかかる燃料消費が多くなっている。
また、燃料の備蓄をすることがほとんどできないため、緊急時に大量の燃料が必要な場合に対応ができない場合が予想される。
6−2改善提案
■FEG港およびFEG軍補給所間の燃料運搬に関して
港から補給所までパイプラインを新設することにより、燃料運搬車両が消費する燃料を低減させる。
この港と補給所間のパイプラインと、後述の各地の燃料消費拠点を結ぶパイプラインの新設に関しては、一時的な支出が増加し予算を圧迫する事となるが、大規模な公共工事が発生することになるため、国民への資金の流入により経済の活発化が見込むことができる。
工事の際には、アイドレス工場と港に隣接し建造されている造船所の設備を流用することにより経費削減を見込むことができ、経済の活発化による税収の増加と併せ1ターンを待つことなくトータルコストで見ると燃料削減効果が現れる試算が出されている。
また、これを機に手狭だった補給所の敷地を海辺まで拡張し、海に面した区画に補給所の燃料部門のオフィスを新たに設置し、専門事務官を常駐させることとする。これにより、燃料に関するトラブル時や緊急時に柔軟な対応ができる指揮系統を確立することが可能である。
■補給艦の運用効率向上に関して
積載物資を補給艦に積み下ろしを行うデリックを大質量を一度に積み下ろしできる大出力の新型のデリックに順次更新を行う。これに伴い補給艦で輸送するコンテナを大型のものに交換を行う。
コンテナとデリック更新に関しては、耐用年数が今ターンに迫っている物をを、今ターンに前倒しで更新を行うことにより予算に与える影響は軽微なものに抑える。また、新型のデリックはI=Dからの技術還元を受け設計されており、燃料消費が旧式のデリックと比べ格段と少なくなっている。デリックが全て新型に更新された際には、デリックによる燃料消費は半分以下になる予定である。
■各地の燃料消費地に対する燃料運搬に関して
飛行場やI=D工場などの燃料消費が激しい拠点に関しても、港から補給所と同様にパイプラインを新設することとする。
これに付随し、パイプラインが新設されない各地の消費地を結ぶ形で鉄道路線を敷設を行うこととする。これにより、燃料のみならず資源、食料などの大量輸送が行えることとなり、車両に比べ安価で燃料消費が少なく輸送を行うことが可能となる。
また、飛行場やI=D工場自体に、小型の燃料備蓄庫を併設することにより小規模な補給拠点としての能力を持たせる事とする。これにより、鉄道を敷設するまでもない近隣の燃料消費地に車両による輸送を行うことができ、運搬車両の効率的な運用により車両が消費する燃料を減少させ効果を見込むことができる。
7.備考
この海軍兵站システムをシステム構築提案書としてまとめるにあたり、先ごろFEGに参加することとなった猫士オーレの存在は大きなものであった。
彼の持つ補給士官としての能力は高く、数多くの的確な助言を受けることにより、システムの完成度を上げることができたのは幸いであった。
オーレの助言もあり、システムとしての完成度はかなりのものであると思われ、燃料などの重要物資の確保に奔走し、戦場と化していた兵站部局にも余裕が生まれることは疑いない。
唯一の残念な点は、このシステムが稼動し兵站部局に余裕が生まれた暁には、兵站部局の忙しさを有事と勘違いしたオーレが特製の兜をかぶり、2本足で立って仕事を手伝ってくれる姿を見ることができなることである。 |