朝/メカ日和?
FEGの朝は、是空砲が運んでくる。
人工の光ながら自然のそれと変わりのない光が徐々に暗闇を染め上げ。
青空を連れてくるのだ。
片方のモミアゲがない青年は窓から溢れる光に気付き。ゆっくりと目を覚ました。
あ、また机に突っ伏して寝てた。顔を上げると、
青年は固まった筋肉をゆっくりとほぐした。
ここは彼の暮らす家の一室。技族としてFEGを支える彼の仕事部屋には所狭しと様々なアイドレスやメカの設計図(一部予定)やら製作の為に使用された資料、国産ヒーロー・ヴァンダナ仮面の設定画集などで埋め尽くされていた。
ああ、いい加減片付けしないと。
通りで顔に心なしか何か違和感があると思ってたんだ。
顔に本の跡をくっきりと残した青年・ヴァンダナは窓を開けて、
うんと伸びをした。
今日も、いい天気。絶好のメカ日和だ。戦争で使われるのは嫌だが、この蒼穹を飛行できるアイドレスが突っ切ってけばかっこいいかもしれない。そんな惚れ惚れする位の雲1つないいい天気だ。
太陽の光をめいっぱい浴びて、うんと深呼吸してから。顔を洗って朝食を摂る事にした。何がなくとも、まずは腹ごしらえからだ。
部屋を出る直前、ヴァンダナ青年憧れの美少女による銀河帝国出身の少女と目が合った。いや、正確には額縁に納めた秘宝館で描いてもらった彼女の似姿か。
「・・・・・・・・・おはようございます、エステルさん」
いつか出会った彼女の勇姿を思い浮かべ、笑みを抑え切れないまま。ヴァンダナは部屋を後にした。
FEGのメカ技族、ヴァンダナの1日は今日も始まる。