オープニング

疫病の伝搬と対応

レディの手

疫病の克服

食糧難への取り組み ・エピローグ

細菌の無害化。それは、時間との戦いでした。

細菌の変異は早い。だがそれでも、無害化させる研究にはその準備だけでNWで一年のかかると判明しました。  絶望感の広がる中、スタッフたちはさらなる計画を提案しました。

海法避け藩国の藩王海法は、実験施設を宇宙船に積んで光速近くで走らせてウラシマ効果でこの時間を相対的に消す案を提唱しました。これを元に、宰相府では風野緋璃手動で保有宇宙船を調査、平行してFEGの久珂あゆみは研究施設をユニット化して建造する計画が進められました。

しかし。それでも、20日の時間を必要としました。

それはマンイータの侵攻に対し、あまりに、遅すぎたのです。

救いの手は、しかし、意外なところから現れました。

共和国はakiharu国の住民は、そのほとんどがカマキリ知類でした。

その一族の長であったレディとよばれるカマキリがいます。

レディは病を負ったその体で卵を、子供達を育てていました。

彼女の子供は彼女の中で何世代も経ました。

そして、その果てに。

ついに、無害化した細菌が見つかったのです。

 


 

akiharu国。カマキリの死体があちこちに転がり、もはや動く物は、ない。

その中。廃墟のような場所で、レディは倒れていた。

「ごきげんいかが。大統領」

やってきた姿にレディは挨拶した。

「お恥ずかしい状況です。レディ」

大統領是空は言った。そばにいた阪明日見ができる限りの処置を施そうとレディに近づく。

レディと大統領。橘@akiharu国

 

「貴方方でも耐性の付かない細菌なのか……」

「私は死にそうね」

「大丈夫です。必ず助けます。――いざとなったら、過去に戻ってでも」

「……でも、共和国は、我々の魂までは死なせるわけにはいかないでしょう」

レディは、そう言って面を上げた。

「私は比較的長く生きています。おそらく、手がかりになると思います」

沈黙が流れる。わずか一秒だが、重たい沈黙だった。

「まさかとは思いますが、貴方から耐性を?」

「完璧ではないですが、てがかりは……」

レディは、笑ったようだった。  

そして。それがレディの最後であり――

レディの残したものは、共和国大統領是空とおるが受け継ぐことになる。

 


 

そして無害菌の繁殖が行われました。

無害菌は、繁殖することで有害菌を制圧し、無力化する力を持っていました。

良いもの細菌が、悪いバイキンを取り押さえている 田鍋 とよたろう@鍋の国

それだけではありません。

無害菌は有害菌以上の強い繁殖力を持つ。

それはすなわち。人体や食糧の両方で効果を持つ事です。

無菌化された食糧 黒崎克耶@海法よけ藩国

 


 

それは、一人の母の力が何であるかの証明でした。

レディは確かに、間に合わせました。

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